スパーズの新星Keldon Johnson(ケルドンジョンソン)

今回は、スパーズのKeldon Johnson|ケルドンジョンソンについて。
おそらくスパーズファンの方以外はほぼ知らないだろうし、
名前だけ程度の認識が普通かなーと。
ただ、中断明けの成績は驚くものがある。
得点効率だけで考えれば、リーグ屈指の成績だよ。
最近では、TJウォーレンやフィニースミス、トレントにMPJ、ベイズリーなど、
想像以上に力を発揮している選手がとても多い。
ブレイザーズファンだからトレントをバブルMIPにしたいくらい。笑
しかし、そんな彼らよりも個人的には目についたのが、
ケルドンジョンソンなんだ。
うまく言えないけど、なんか目立つし地味に上手い。
この違和感がある選手はスタッツの表れないところで活躍している傾向がある。
上手いといっても能力があるわけではなく、
プレーの選択が賢いに近いかな。
あんまり知られていないと思うので、簡単に紹介から。
ケンタッキー大学からアーリーエントリーした20歳のフォワードの選手。
大学時代はスタッツからもオールラウンドにこなせる
かなりポテンシャルの高い選手の扱いだったのかな。
そして、彼をスパーズが29位で指名した。
では、早速入っていきましょう。
今季成績
MIN:16.9分 | 得点:8.1点 | REB:3.4本 |
FG%:58.4% | 3P%:58.4% | ±:+3.9 |
得点効率が優れていること以外はあまり分かりにくい。
得点効率については下で詳しく書きます。
出場時間の+値ではチーム1位の成績である。
(2位はミルズで+2.0)
これはケルドンがいるとチームがうまくいっているということ。
出場時のレーティングを見ると顕著に表れている。
ケルドン出場時 | OFFRTG:114.4 | DEFRTG:102.8 | NETRTG:11.7 |
スパーズ通常時 | OFFRTG:111.7 | DEFRTG:112.6 | NETRTG:-0.8 |
これらのどれを見てもケルドンのいる時間のスパーズの強さが分かる。
ちなみに、このディフェンスレーティングは今季のバックスと同等なんだ。
スパーズはケルドンの出場時に、バックス並みに固い守備に変わる。笑
なぜ、有名でもないケルドンの出場時にチームは噛み合うのか?
ここが特徴で、ハードワークとプレーの取捨選択が適切だから。
ハードワーク
・リバウンドの強さ
中断明けの試合では、7試合で計33本のリバウンドを取っている。
ロケッツ戦では、11本のリバウンドを獲得。
・守備の貢献
今季のスパーズは守備が特に悪いチームとして知られている。
スモールラインナップがもたらすミスマッチを狙われたり、
サイズやパワーのあるフォワードがいないことが響いていた。
キャロルは合わなかったみたいだしさ。
オルドリッジも中断明けは参戦しないこともあり、
更に守備が悪くなると思われたが、結果的に良くなっている。
その心配された穴を埋めたのがケルドンジョンソン。
スパーズはリーグ屈指のディフレクションが少ないチーム。
ディフレクションが少ないチームはハンドラーへの圧力が緩く、
守備が悪い傾向にある。
〇中断明けケルドンのディフレクション
1試合あたり2.8本 (チーム1位)
ディフレクションではマレーを超えている。
それだけハンドラーへのプレッシャーをかけれているんだ。
これが分かるように、彼がマークについた選手はほとんどシュートは打てていない。
そして、打ってもシュートが入らない。
マッチアップ数の多かった選手を少し紹介しよう。
ハリソンバーンズ | 11.9回 | シュート0本 |
ウエストブルック | 11.6回 | (2本)6本 33.3% |
マイケルポータージュニア | 9.1回 | (1本)1本 100% |
ヒールド | 8.5回 | (1本)5本 20.0% |
ウエストブルックに力で負けていなかったのを、
この前の試合で感じた方も多いかもしれない。
マイケルポータージュニアはほとんどシュートすら打てていない。
マーク付かれているいるときにボールすら触れていなかったしさ。
ヒールドもそんな感じなのかな。
マッチアップしている時、全てを見ている訳ではないから定かではないけど、
エースクラスの選手でさえ、まともにシュートを打てていないんだ。
今の段階ではまだ個人を止めるのに長けている段階だけど、
まだ20歳の選手でこれだからとても価値がある。
今後ヘルプにも回れる余裕ができたら、怖い存在になるだろう。
得点効率
EFG%:66.2% | TS%:70.0% |
このTS%は15試合以上出場した選手ではリーグ8位の成績。
全選手の中で8番目の得点効率を誇るというと
彼の凄さが伝わるんじゃないかな。
他の選手はセンターばかりだから、フォワードでいるのはあり得ないこと。
先程、上でプレーの取捨選択と賢い選択ができることを挙げたけど、
それがこの得点効率に表れているよ。
両コーナーで3Pシュート成功率が60%を超え、
残りのほとんどはゴール下まで運んで打ち切るのが特徴。
コーナー以外では積極的に3Pシュートを放つわけではないが、
放った時の成功率は相当なもの。
3Pでは(コーナー含む)ほとんどをワイドオープンで放っており、
確実にフリーになれている。
トランジション時に毎回コーナーに全力で走っているのも特徴。
移動速度もNBA全体で見るとかなり速いレベル。
そして、フィジカルを生かしてゴール下まで運び、
打てなければファールドロー、打てれば成功率68%を超える。
フリースローも及第点以上の確率。
積極的なリムアタックとコーナー3Pシュート
基本的にはこの2つのみをこなしている。
KELDON. JOHNSON. 😤 pic.twitter.com/WuIclFoMb1
— San Antonio Spurs (@spurs) August 2, 2020
あくまで予想なんだけど、
ケルドンは選択肢が少ないことが得点効率を上げているんじゃないかな。
ラッセルウエストブルックが3Pシュートを捨て、復活したのと同様。
対して、ポテンシャルを発揮しきれないロニーは、
プレーの選択肢はあるけど、判断が微妙で迷いが生じている様に感じる。
後輩の活躍でロニーが覚醒したら、スパーズは一気に飛躍するかもなー。
サマニッチもいるし。
Keldon keeps climbing 📈#GoSpursGo pic.twitter.com/ruVTOhMUDD
— San Antonio Spurs (@spurs) August 12, 2020
中断前と中断後の変化
ここからは簡単に。
【スパーズ特徴】
ドライブの多さと得点効率の高さ
ケルドンも中断明けから、チームに適応し大きく変化している。
中断明け | ドライブ数:5.3回 | FG%:56.3% |
中断前 | ドライブ数:3.6回 | FG%:45.2% |
このドライブからのFG%はデローザンに次ぐ、チーム2位。
ドライブからフィニッシュまで完結できるからこそ、
高い得点効率を残すことができている。
中断後からはタッチ数も大きく増えているので、
彼の役割が増えてきているのが分かるだろう。
出場時間も今では26分くらいに伸びているしさ。
将来の展望と理想の姿
若くてポテンシャルの多い若手を抱えるスパーズ。
オルドリッジやデローザン、ミルズもいつかは離れてしまう。
彼らの姿を見て若手はよく成長している。
マレーはミッドレンジマスターに。
⇒デローザン、オルドリッジ
ホワイトはオフボールでチームを助ける欠かせない選手に。
⇒ミルズ
守備の選手だったレナードをスターにし、
デローザンをオールラウンダーに仕立て上げたスパーズなら
ケルドンをレナードの様に成長させるかもしれない
ここにきてキャリアハイの得点を塗り替えているケルドンジョンソン。
1年目の20歳ながら、リーグトップクラスの得点効率を誇り、
プレーとは裏腹に賢い動きをする点に注目です!
来季はMIP候補に入るかもよー。
長々とありがとうございました。
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