ロケッツの苦労人PJタッカー

今季西の6位に位置するロケッツ
ラスとCP3のトレードによって、
チームには大きな変革がもたらされた。
そんな変化があっても強豪で居続けられるロケッツ。
バスケ自体も大きく変化し、
リーグでも特にペースが遅いチームだったが、
今季はリーグでも上位の速いチームになった。
それに伴い、カペラもチームを離れることになり、
スモールボール革命へ踏み切ったよね。
全てを貫き通すバスケ。
ダントーニ含め、ロケッツに後はないからかな。
こんなに大きな決断ができたのは、
リーグ最高のスコアラーであるハーデンの存在。
ハーデンがいるから、彼らは毎年上位に居続けられる。
ハーデン・ラスが自由にプレーできている理由は?
チームが柔軟にシフトチェンジできた理由は?
こんな点を考えた時に浮かび上がってくるのは、
P.J. Tucker|PJタッカーという男の存在。
彼のおかげでスモールボールに踏み切ることができ、
年20mil近くを逼迫していたカペラをトレードできた。
タッカーは196cmの身長でセンターを務めている。
※ある記事の記述では、NBAのセンターの平均は211cm
15cmも高い集団にもみくちゃにされながら、
リバウンド争いやボックスアウトするタッカー。
普通に考えて、自己犠牲の精神すごすぎないかい?笑
これを機に想像してみましょう。
身長が15cm上の選手たちと向かい合い戦う感覚。
……普通の人なら難しいよね。
それを毎試合当たり前のようにやっている
タッカーがどれだけすごいことか。
自己犠牲の精神
関係ないけどタッカーくらい自己犠牲の精神あったら、
戦争なんて起こらないだろうな。
ノーベル平和賞でも人間国宝でもなんか受賞させたい。笑
タッカーは好きな選手なので前置きが長くなりましたが、
ここからは本題です。
【2019-20シーズン】成績
MIN:34.4分
PTS:7.1点 REB:6.9本 STL:1.1本 FT%:84.1%
FG%:43.3% 3P%:37.0% ±:2.3
EFG%:56.0% TS%:58.0% usage%:8.6%
これ見て感じたのは、ロールプレーヤーとして必要な点を
的確にこなしているということ。
まータッカーくらいの知名度になると、
当たり前のことに聞こえてしまうかな。笑
usageが8%は今まで書いた選手で一番低い気がする。
優れた3Pとディフェンスを備える理想的な3&D。
それでいて、35歳なのに一番献身的に働いている。
《献身さを表しているデータ》
○移動速度
ラス:3.96
タッカー:4.02
移動距離ではチーム2位。
プレイタイムはラスの方が長く距離ではラスが1位だけど
移動速度はラス以上だよ。
PJタッカーは移動速度と走行距離の比で見たら、
チームトップ。
これを35歳でしているから驚きなんだ。
徹底したオフェンス
脇役に徹するタッカーに必要なオフェンスは2点
・とにかくコーナー3Pを打つ
・5outするチームのスペーシングを助ける
(ハーデン・ラスの道を作る)
この二つの徹底度合いがすごい。
これは間違いなくタッカーにしかできない仕事ぶり。
とにかくコーナー3Pを打つ
タッカーの代名詞といえば、
コーナー3Pを浮かべる人も多いんじゃないかな。
もちろんその通り!
両コーナーともにリーグ1位の3PAを誇るっている。
リーグで一番コーナー3Pを放っているんだ。
ちなみに去年もリーグ1位だよ。
○左コーナー
今季:41本(94本) 43.6%
○右コーナー
今季:39本(106本) 36.8%
成功率も安定感があるよ。
両コーナーともにロケッツの重要な武器となっている。
そして、どれだけコーナー3Pにかけているかを表す
データがある。
FGA:374本 3PA:257本
コーナー3Pシュート:200本
彼のコーナー3Pの比率の高さはっきり分かるよね。
シュートの7割が3P、シュートの半分以上がコーナー3P
ここまで自分の役割に徹している選手は少ないよ。
ロケッツのやりたいことを全て可能にしている。
ロケッツはインサイドのスペースが生命線。
ハーデンやラスの使うスペースを確保するには、
コーナーにいることが求められる。
そして、コーナーにいるだけじゃなく決定力が必要。
ハーデンやラスのドライブを警戒しないといけないのに、
コーナーを空けるとタッカーがいる。
相手にとっては相当嫌な存在だろうな。
任された時に決めきれるタッカーがいるから、
ロケッツはロケッツのバスケをし続けられるんだ。
そして、ガード陣との相性も抜群。
○ラスのパスからの3P
3PA:1.5本 3P%:41.7%
ラスのキックアウトを生かすのも彼なんだ。
確率は40%を越えている。
ハーデンのパスからの3Pは率が微妙だけど、
2Pは54%を越えているよ。
2人との相性の良さが分かるはず。
ちょっとだけ面白すごいデータ
タッカーの決める3Pの98.9%がアシスト付き。
それも、ほぼキャッチ&シュート。
10試合で1本しかプルアップでは打っていない。
これはすごいことなんだ。
タッカーとラス&ハーデンの相互信頼が分かるからね。
ドライブの道を空けコーナーに必ずいるタッカー
マークが空いたら使うラス&ハーデン
彼らはアイソレーションで相手と向き合うことが多い。
目線やフェイク一つがミスにつながる。
見なくても大体の場所が把握できるのは大きいよ。
チームを支えるディフェンスの柔軟性
今季ロケッツはディフェンスが良くない。
攻め勝つロケッツにおいて、守備は一種の弱点。
そんなロケッツ守備に安定をもたらすのが彼の仕事。
・サイズの差があるセンターとのマッチアップ
・エースキラーとヘルプディフェンスの役割
・スイッチディフェンス
(1番〜5番まで全てと柔軟にスイッチできる)
この全てができるのがタッカーなんだ。
どんな相手にも柔軟に対応できる彼がいるから、
ロケッツはスモールボールで戦える。
個人の守備力
DIFF%:−1.4%
自分より遥かに大きい相手や敵エースをマークするのに、
タッカーはキッチリと抑えている。
タッカーが35歳まで必要とされるのは、
他にも理由がある。
それは、バスケットIQの高さ。
自分より大きい相手をマークするのに、
真正面からぶつかっては分が悪い。
ボックスアウト:3.7回
一人でリバウンドを取らなくても良い。
基本に忠実に邪魔をする。
自己犠牲の精神も表れているかな。
テイクチャージ
0.3回(リーグ6位)
体格的にセンターとは戦えなくても、
タッカーは頭を生かして彼らと戦っているんだ。
ここまで戦えることを知っていて、
ロケッツはカペラトレードに踏み切ったんだろう。
まとめ
ロケッツのスモールボールは最後の賭け。
この賭けが吉とでるか凶と出るかは
タッカーにかかっているといえるだろう。
タッカーは今でもできることを全力でこなし、
常にチームに+もたらしている。
オフェンスではコーナーのスペシャリストであり、
ディフェンスではチームの要。
Gリーグやヨーロッパを経験した苦労人だからこそ、
チームで戦うことの大切さや自己理解ができている。
そして、それがNBA1の自己犠牲の精神を作ったんだ。
35歳ながらチームのためにムチ打って走り続ける彼が
いつか報われることを願っています🙏
グリーンやキャロル助けてあげてー笑
長々とありがとうございました🙇