変化したグリズリーズとそのバスケの全貌

第一弾では、何が変わったのか説明しましたが、
今回はさらに細かく変わった点を紹介します。
前回は、去年よりパスの質が大きく変化して、
アシストが増えたり効率が良くなったことを書きました。
もちろん、選手やHCが変わったのは大きなことだけど、
なぜパスの質が上がったのかが大事なんだよね。
では、そこから書いていきます。
なぜパスの質が上がったのか
パスの質が上がってアシストが増えた
この理由は同時に、
点が取れるようになったということ。
点が入れば、パス回しも同時に変化が起こる。
同時にシュートの質も変化しているんだよね。
パスの質/シュートの質の大まかな理由は、
・paceの変化(速攻の増加)
・シュートを打つエリアの変化
・オフェンスの使い分け
・決め切れる選手たち←次回
おそらくこんな感じになると思う。
そして、これが去年との違いになる。
paceの変化(速攻のチームへ)
【pace】
97.15(リーグ最下位)→103.26(リーグ7位)
これが1番のグリズリーズの変化。
ここまで変化しているチームは、今季他にはない。
リーグでも1番遅かった遅攻のチームから、
リーグトップクラスの速攻ができるチームになった。
そして、これが得点が10点近く増えた理由。
これによって、大きく増えたのはFGA数。
FGA:84.4本→90.5本
ここまで増えるとTOが増えることもありえるけど、
TOは1.3回しか増えていない。
ここもポイント。
速い攻めになってもミスは増えていない。
これがパスの本数が減った理由でもある。
速攻でイージーに点が取れる機会が増えたということ。
イージーに点が取れる機会
○速攻での得点
12.3点(リーグ16位)→17.9点(リーグ4位)
速攻を武器にするチームに変化している。
速攻での得点が5点も増えているんだ。
○速攻での失点
16.3点(リーグ28位)→14.6点(リーグ23位)
彼らの凄いところは、速攻での得点を増やし、
速攻での失点を同時に減らしているということ。
前に速攻を捨てたキングスを書いたけど、
キングスと逆の現象が起こっている。
キングスは遅攻にし、速攻での失点を減らした。
速攻にしたのに、速攻での失点を減らしている。
グリズリーズのギアチェンジはクラッチでも凄い。
○クラッチタイムpace
100.98(リーグ24位)→110.46(リーグ3位)
これも去年との違いがハッキリだよ。
今年は普通の状態でも速いのに、終盤でさらに早くなる。
これは若さゆえなのかな。笑
クラッチタイムではまだまだなんだけど、
これも去年との変化の一つ。
これがグリズリーズの1番大きな変化。
去年とは、まるでチームが違うんだ。
シュートを打つエリアの変化、速攻が増えるということは、
イージーなシュートが増えるということ。
もちろん、増えています。
○制限エリア
FGA:26.4本→29.7本(リーグ11位)
FG%:61.9%→63.6%
○ペイントエリア内(制限エリア外)
FGA:16.7本→20.8本(リーグ1位)
FG%:40.9%→44.6%(リーグ2位)
より近いエリアでシュートを打てているよね。
そして、効率も上がっている。
これはpaceの影響も大きいだろう。
去年と比べ、シュート数と効率ともに上がっている。
そして、ペイント内でパスを受けるシーンも増えている。
○ペイント内でパスを受けての得点
得点:21.5点→23.8点(リーグ2位)
FG%:60.7%→66.7%
○ペイント得点の増加
46.3点(リーグ21位)→56.3点(リーグ1位)
イージーなシュートが打てている。
ペイントエリア内での得点はレイカーズより上だからね。
それも、2位のレイカーズより3点も上。
彼らは、インサイドをうまく活用できているということ。
タイトな2P、オープンの3P
これがグリズリーズのオフェンスの使い分け。
このタイトルが全てを示しているよ。
彼らのFGAの半分はタイトかベリータイト。
タフショットが多いんだよね。
ちなみに、タイトな状況でのシュートはリーグ1位。
タフショットばっかなチーム。
だけど、彼らは凄い。
その中の50.1%を決めきっているんだ。
なぜなら、タフショットのほとんどが2Pだから。
タフショットが多いのは、決して良くないこと。
だけど、それを利用するのが今季のグリズリーズ。
対照的に、3Pのほとんどがオープンかワイドオープン。
ちなみに、
タイト/ベリータイト3P:2.6本
オープン/ワイドオープン3P:28.4本
彼らは3Pが決して多くはないけど、
そのほとんどがオープンな3Pだということ。
今季のグリズリーズは、
タフな2Pを決めれて、オープンな3Pを作れる。
インサイドの収縮に対応できているということなんだ。
これも細かく見ると、
タフショット2P(タイト/ベリータイト)を打つ選手も
ほとんど決まっている。
タフショット2Pと成功率
モラント: 8.4本 約50%
バランチュナス:7.3本 約60%
3J: 6.0本 約50%
ブルックス: 5.7本 約40%
うまい選手にほとんど打たせているってこと。
もちろん、バランチュナスや3Jはリムに近いから、
モラントとブルックスよりはイージーだけどね。
去年のロケッツのミッドレンジと似ている。
基本はハーデンとクリスポールに打たせるみたいな。
オープンに打てている3Pも細かく見ると、
速攻で打っていることがほとんどなんだ。
○3Pシュートの秒数毎の本数と成功率
15〜7秒(Average): 14.3本 36.3%
18〜15秒(Early): 6.3本 37.1%
22〜18秒(Very Early ): 5.1本 39.6%
それ以外 4.9本
こーやって見ると顕著だよね。
簡単に打てなかったら、割り切って2Pに切り替える
まとめ
去年のグリズリーズと異なっていたんじゃないかな?
これが今季のグリズリーズのバスケの全貌なんだ。
新生グリズリーズのバスケは割り切ることも、
苦にしていない。
自分たちの得意なことを活かしているんだ。
時間がたって強くなってきたのは、
それが戦術が浸透しフィットしているから。
これが、彼らが今季強い理由です。
そういう視点でグリズリーズのバスケを見ると、
結構面白いです!!
すごく長くなりましたが、読んでいただきありがとうございます😊
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データ引用元:
https://stats.nba.com/
作成日:2020年7月23日