グリッド&グラインドを捨てた新生グリズリーズ

今回取り上げるのは、新生グリズリーズ。
メンフィスグリズリーズといえば、
西の強豪だった頃のベテラン
(コンリー、ガソル、ランドルフなど)が去り、
今季再建に進んだチーム。
しかし、そうなるはずだったのだが、
周囲の予想に反し、今季グリズリーズは躍進している。
その理由をいくつかの記事に分け、書いていきます。
チームの概要→去年と今年の違い→選手毎
こんな流れで予定しています。
概要
グリズリーズの主な変更点は、
1.HCの交代
JB・ビッカースタッフ→ テイラージェンキンス
2.若手へのシフト
コンリー・ガソル→ジャモラント・3Jのチームへ
3.チームのバスケスタイルの変化
※こちらについては細かく次回書きます
チームの革新
グリズリーズの黄金期を支えたHCや選手達は、
グリッド&グラインドを基本とし、
チーム全体で泥臭く守るチーム作りをしていた。
しかし、これは現代のバスケとの逆行でもあった。
現代のバスケといえば、
ハイペースなテンポでゲームを進め、
オフェンシブに勝つチームが主流といえるだろう。
去年までのグリズリーズのバスケは、
泥臭いディフェンスに、スローなテンポのオフェンス。
だけど、今季のグリズリーズは生まれ変わった。
新HCに35歳のテイラージェンキンスを招聘し、
チームのバスケを一新。
バックスHCブーデンフォルツァーのACを務めた人物で、
最新のスタイルをグリズリーズに持ち込んだ。
コンリー&ガソルが支えたグリズリーズから、
ジャモラント&3Jのバスケへ。
現在は平均23.7歳のスーパー若手チーム。
エース二人はまだまだ20歳。
※去年平均26.5歳
リーグ序盤(11月)は18試合で5勝13敗。
そこから徐々に戦術が浸透し始め、
1月は15試合で11勝4敗。
モラントを中心にグリズリーズは強くなった。
今季成績
現在32勝33敗(ウエスト8位)※去年は色付き
・得点:112.6点 (13位) 103.5点
・AST:27.0本 (2位) 23.9回
・REB:46.7本 (6位) 41.8回
・FG%:47.0% (7位) 47.4%
・BLK:5.58回 (7位) 5.5回
・STL:8.00回 (12位) 8.3回
・TO:15.3回 (23位) 14.0回
・失点:113.7点 (20位) 106.1点
平均年齢23歳代のグリズリーズが、
オフェンス面でリーグ屈指の成績を残している。
グリズリーズは去年失点リーグ3位のチームで、
リーグトップクラスの守備を持つチームだった。
今季は打って変わって、オフェンスのチームへ。
去年は失点は少ないけど、得点が取れていなかった。
今年は失点が多くなっているけど、
その分点が取れるチームになっている。
結果的に、得点と失点の差は今の方が良いチーム。
だからこそ、順位も上がっている。
14位→13位→8位
低迷期が続いていたけど、今年は改善し復活できた。
ここ数年で1番良いチームになっているよ。
パスの質の変化
アシスト・リバウンド共にリーグトップクラスで、
アシストに至ってはリーグ2位だよ。
でも、面白いことにパス数はかなり減っている。
パス数:329.8回→305.5回
1試合あたりパス数が25本近く減っているんだ。
この差はかなり大きい。
ただ、パス数は減っているのに、
得点は9点、アシストは3本以上増えている。
今季のグリズリーズは以前よりパスの質が上がっている
それがハッキリ分かるデータなんだ。
これだけじゃない。
ポテンシャルアシストも増えている。
※受け手が1ドリブル以内にシュートを打った際のパス
ポテンシャルアシスト:45.0本→47.6本
パスを受けた時点で崩せていることが分かるよね。
もちろん、これだけ崩せるオフェンスなら、
アシストからの得点数も増える。
アシストによって生み出した得点
58.8点→67.6点
約10点近く伸ばしているんだ。
一本あたりのパスの質が明らかに上がっている
最後に、現代風のバスケへの移行が分かる点がある。
ポストアップの減少
13.8回→8.4回
ジェンキンスがもたらした戦術により、
チーム自体が大きく変化したんだ。
バックス流の最新型オフェンスを吸収し、
グリズリーズの古かったバスケは現代風に進化した。
本当はもっとたくさん書きたいんだけど、
次回のネタなので今回はここまでにします。
まとめ
チームを支えたベテランが去り、
新たに期待の新星が入り、
グリズリーズの体制は大きく変化した。
新HCのジェンキンスが中心となり、
グリッド&グラインドを捨てて、
現代風のバスケに生まれ変わったんだ。
去年のチームと今のチームは全く違う
再建期に入らず、良い成績が残せているのは、
チームが自信を持って戦えているからこそ。
新生グリズリーズはもう誕生したんだ。
フランチャイズとしてエースで長く活躍し続けた、
コンリーとの別れは正直辛かったはず。
それがあっても再建に時間がかからず、
今季強いグリズリーズはどれだけ凄いことか。
もし、今年グリズリーズがプレーオフに進出したら、
来年はさらに強いチームになるだろう。
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データ引用元:
https://stats.nba.com/
作成日:2020年7月23日