【オーランドマジックルーキー】シンプルさと多様性を併せ持つチュマオキキ

今回は、マジックのルーキーであるチュマオキキ|Chuma Okekeです。
2019年ドラフト1巡目16位で指名されるも、
左膝の靭帯断裂の大けがの影響もあり、
1年目は一度も出場することはなかった選手。
21か月バスケができないという状況でも、
リスクを冒してマジックはオキキを欲しがった。
それだけの価値を感じたからだろう。
今季からは徐々に出場する機会も増え、
試合終盤に起用されることも多い。
マジックが期待を寄せるアイザックの大怪我や、
しばしば離脱してしまうアーロンゴードンにより、
運よく出場する機会が増えた印象もあるかな。
昨季バブルで弾けたスパーズのケルドンのように、
オキキもまた覚醒が期待できる選手なんだ。
そんなオキキをまだあまり知らない人は、
ぜひマジックの背番号3に注目してほしいなー。
マジックファンなので、特に期待しています。笑
↓マジックをあまり知らない人はこれ見てみてねー。
オーランドマジックのNBAでの不思議な立ち位置
では、ここからはオキキという選手を説明しよう。
今季成績
MIN:21.8分 | 得点:4.4点 | REB:3.5本 | AST:2.0本 |
STL:0.8本 | BLK:0.4本 |
FG%:38.4% | 3P%:38.6% | ±値:-0.2 |
出場時間も決して長いわけではないし、
まだ特に何かが突出しているわけではないよ。
スタッツ的にはFG成功率に現段階では難があるし、
今は3Pが優秀という程度の印象かな。
ただ、一つだけ言えるのは±値が優秀であるということ。
彼が出場時にチームは強くなっているのが大きな特徴。
とはいえ、-0.2なんだけどね。笑
今季のマジックは東の14位と非常に良くない。
守備で勝ってきたチームなのに守備も微妙だし、
オフェンスは単調なプレーが多い。
マジックの得点効率は3月3日現在でリーグ最下位。
その原因はフルツやアイザック、
ゴードンが不在なことが大きいんだけどね。
あと、コールアンソニーまでも離脱したしさ。
【出場時の得失点差(±値)】
MCW | +2.8 |
オキキ | -0.1 |
アーロンゴードン | -2.1 |
ロス | -4.8 |
ベーコン | -6.1 |
ブーチェビッチ | -6.4 |
これは全員書くのは大変だから主要な選手や、
ウイングの選手メインで書いてみました。
MCWがチームで1番優秀な数値を残していて、
次のエニスも2番目でなかなか優秀だった。
オキキのデータはチームで3位とかなり優秀なんだ。
絶不調のマジックでもオキキは自分の存在価値をしっかりと出せている
では、ここからはどんな選手かを書こう。
チュマオキキの特徴
オキキのプレーはスタッツを見ても分からない。
だけど、彼の出場時間にチームは機能する異質な存在。
そんなオキキの特徴がいくつかあるからまとめていこう。
チームの守備の潤滑剤
オキキの価値を最も高めているものは、
今は間違いなく守備力の高さ。
マジック | OFFRTG:105.5 | DEFRTG:112,1 |
チュマオキキ | OFFRTG:106.8 | DEFRTG:105.7 |
これだけ彼の存在だけで、守備が改善しているということ。
(もちろん選手の組み合わせやマッチアップの関係もある。)
ただ一つ言えるのは、このレーティングの105.7の数値は、
今季1位の守備力を誇るレイカーズと同じくらいなんだ。
(レイカーズ DEFRTG:105.1)
ここまででオキキの守備の力を書いたけど、
本質はここから。
決めさせない個人の守備力(DIFF%)
DIFF% | 0.3% |
【3P】DIFF% | -0.2% |
【2P】DIFF% | -0.7% |
DIFF%はプラスになってしまっているものの、
被FG%は44.4%とさほど高くはない。
特にオキキは6フィート以内で打たれることが少なく、
ゴール下に侵入させない守備ができている。
試合を見ていて感じるのは、彼が狙われることはないし、
むしろマークにつかれた選手は打てていないのも特徴。
高いバスケットIQがもたらすヘルプの存在感
彼が出場している時に守備が良くなる最大の理由。
オキキはショットコンテストが非常に多い選手。
(ショットコンテスト=タフショットを作る)
パスで振られた時のクローズアウトがかなり速い。
特にマジックはインサイドを固めるチームで知られていて、
被3Pに弱さを抱えるチームでもある。
その弱みを埋めることができるのがオキキの強み。
オキキのコンテストは実際に3Pが多い。
このバスケIQの高さを生かす身体能力もあり、
ディフェンスを調べるとかなり他も優秀なんだ。
ディフレクション | 2.1本 (チーム1位) |
プレータイムは20分前後のオキキがチーム1位。
ここからもオキキのヘルプの上手さや貢献が見える。
ちなみに36分平均で見ると、3.5本と超優秀。
これはバトラーやオコギー、オラディポ、
ウーブレなんかと同等の数値なんだ。
今挙げた選手で想像がつくと思うけど、
オキキの守備力の高さが分かるんじゃないかな。
上に書いたけど、こんな要素もあるからオキキはスティールが多かったよね。
ショットコンテストとスティールが上手い選手は、
ブロックもできる選手が多い。
オキキも同様でブロックが非常に上手い選手。
𝘉𝘭𝘰𝘤𝘬 → 𝘉𝘶𝘤𝘬𝘦𝘵@chuma_okeke | #MagicTogether pic.twitter.com/XdxzRUmlIg
— Orlando Magic (@OrlandoMagic) February 20, 2021
このウォリアーズ戦での守備は圧巻だった。
これはMCWがマークを外した際に、
素早くコーナーのグリーンを捨てたシーン。
この判断ができて、かつ間に合うスピードがある。
それにウイングスパンは7フッターと身長よりも長い。
大学で、40分平均で2.5STL、1.7BLKを残したのは伊達じゃない。
トランジションでの戻りも早く、
恵まれた体格で基本的にミスマッチを起こさない。
危機察知能力が高く、安定感もある。
それに、オキキは非常にファールが少ない一面もある。
数値にはなかなか残らないプレーの多くで、
オキキはチームにそれ以上の貢献ができる選手。
コートを広げる3Pシュート
オキキの二つ目の特徴は、3Pシュートの精度。
今季のオキキの現状の3P成功率は38.6%と高水準。
【エリア別3Pシュート】
左コーナー | 2本(7本) | 28.6% |
右コーナー | 2本(4本) | 50.0% |
他3Pシュート | 13本(32本) | 40.6% |
コーナー3が少ないのは、マジックではしょうがないことかな。
マジックはリーグで一番コーナー3が少ないチームで、
その影響でマジックに来ると率が下がる選手が多いからね。
個人で仕掛けられる選手はあまり多くないのに、
総パス数も少ないから相手が動く必要がなくなる。
そんな要素で、オフェンスレーティングが低いのもある。
ロスやブーチェビッチとフォーニエさえ警戒すれば、
シュート力が高い選手がいないこともある。
実際にブーチェやロスを潰しにくるチームが多く、
そうなった時に高確率で決めれる選手が必要。
その点でオキキがもたらすものは大きい。
オキキはコートを広げる役割に長け、IQも高いため、
フリーになるのが非常に上手い選手。
それが分かるデータがあって、彼の3Pシュートのほとんどは
オープンかワイドオープンに限られ、キャッチ&シュートのみ。
打てない場面ではしっかりエクストラパスが出せる。
その判断力とポジション取りが、
今の3Pシュートの確率を維持しているのだろう。
今後の課題
オキキはルーキーかつロールプレーヤーで見れば十分だけど、
彼のポテンシャルは完全に発揮されているわけではない。
今はできることを淡々とこなしている印象が強く、
プレーで無理することが非常に少ない。
これはロールプレーヤーで見れば十分なスキルだし、
無駄がないのは悪いことではないのかな。
ただ、22歳でポテンシャルの高い選手だと、
ややもったいないようにも感じる。
オフェンスでの期待
マジックはオフェンスが良いチームではないから、
オキキの今後には特に期待している。
その中で欲しいものは3点。
・ペイントエリアへのアタック
・シュートへの積極性
・アシスト能力を磨く
順々に書いていこうかな。
ペイントエリアへのアタック
現状、怪我明けのオキキにはプレー制限がかけられている可能性もありそうです。
上に注意書きをしたけど、
本題に入ると一番に期待している点。
今までのオキキのシュートのほとんどは、
ゴールから遠いエリアで放たれているんだ。
総シュート数 | 86本 |
ミッドレンジ | 22本 (40.9%) |
3Pシュート | 44本 (38.6%) |
これを見ると分かるけど、
オキキがゴール下で打つことはほぼなかった。
彼がシュート力が高いのは見ていれば分かるけど、
それを生かすカットがほとんどない。
3Pシュートは38%で決める選手でありながら、
現段階でFGは38%という最大の矛盾がある。
決めるシュート力はあるのに、もっと簡単なイージーなシュートが異常に少ない。
ハンドリングも悪くないし、体格も良いから良さを生かして、
ドライブとかの選択肢が増えると楽しみなところ。
今でもスクリーナーからの意表を突く3Pシュートは、
武器になっているし、選択肢がさらに欲しいかな。
チームの単調さに多様性を持つことができれば、
マジックはもっと楽に勝てるチームになる。
シュートへの積極性
これもほとんど上の内容と重複するかな。
同じルーキーのコールアンソニーも成功率は低いけど、
一試合あたり10本シュートを打つ選手。
プレータイムの長さは違えど、
オフェンスでの意気はオキキよりは高い。
大学時代の彼はポストプレーもできたとされる選手だし、
まだまだ見せてないだけで武器はありそう。
ミスしてもいいからどんどん積極的に。
怪我をしているアイザックとアーロンゴードンを
下から突き上げられるのはオキキしかいないだろう。
今はプレー制限のありそうな感じだけども脱却したら、
来季にはもっと多様性のあるオキキが見れるかもなー。
アシスト能力を磨く
最近の良い映像が見つからなかったので、
ドラフトの動画になってしまう….😢
これはドラフト時の強みなんだけど、
最近の試合を見ていてもアシストのセンスを感じる。
視野も広いし、IQも高いから正確な判断ができる。
まだあまりしないプレーなんだけども、
ポストからのパスは特に上手な印象がある。
NBAレベルでどこまでできるかは判断できないけど、
アシストのセンスは良いと思う。
この辺のスキルも開花してくると、
3&D以外の価値もある選手になるのかな。
まとめ
オキキについて簡単にまとめてみました。
今でもコビントンっぽさを持つ選手として、
相当期待されているオキキ。
マジックじゃなくても活躍できるし、
怪我さえなければ順調に成長するだろう。
攻守問わず賢いプレーの数々に加えて、
派手なチェイスダウンブロックをしたりと、
非常に才能を感じる選手。
陸上の短距離選手のような筋肉質な体も、
彼のポテンシャルの高さを感じるよ。
セルツのジェイレンブラウン的な選手になって、
長い間マジックの選手として活躍してくれたら嬉しい。
結構長くはなりましたが、
オキキは面白い選手なので是非マジックを見てねー。笑
長々と読んでいただきありがとうございました。
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