ブレイザーズを牽引するCJマッカラム

今回は、CJマッカラム|CJMcCollumについて書いていこう。
まずは、簡単にブレイザーズの現状から触れてみよう。
昨季はシーディングゲームまでもつれ、ギリギリ8位で
プレーオフに進出したポートランドトレイルブレイザーズ。
今季もヌルキッチやザッコリの負傷もあり、
苦しみながらも昨季よりはチーム力は上がっている。
元々の選手のレベルの高さはもちろんのこと、
オフにはDJJやコビントンにジャイルズ等を加え、
ハークレスやアミヌを失い、厳しかった守備を改善しながら、
徐々にブレイザーズらしさである「攻め勝つ」スタイルで健闘。
今のところ、15勝10敗のウエスト5位をキープ。
昨季終盤の影響もあり、怪我人が多発する現状ではあるが、
今季はブレイザーズらしさが見られている。
シーズン序盤はリラードの不調の影響で苦しんだ印象だが、
この順位にいられたのはCJマッカラムがいたからに他ならない。
そのくらい今季のマッカラムは異次元なレベルで決めまくっている。
1月16日のホークス戦でレイアップの着地時に踏まれ、
左足の外側楔状骨のヒビをケガしたマッカラム。
約4週間の離脱が予定されているものの、
かれこれ4週を経過し、彼が帰ってくる時期は近づいている。
MIPの受賞歴を持ちながら、
常に過小評価され続ける天才マッカラムをまとめてみよう。
(※色んな方のマッカラムの意見を聞かせて欲しいです。
良かったら終わった後、引用リツイートお待ちしてまーす。)
2020-21シーズン成績
MIN:33.8分 | 得点:26.7点 | REB:3.9本 | AST:5.0本 | STL:1.3本 |
FG%:47.3% | 3P%:44.1% | TO:1.0本 | ±値:+4.3 |
現段階では得点/アシスト/スティール/3P%で、
軒並みキャリアハイの成績を残している。
誰が見ても分かるくらい決めに決めまくっている。
±値では、チームでも1位の成績を残している。
これはリーダーであるリラードよりも格段に良い。
それだけマッカラムが出場している時に一番チームが機能しているということが表れている。
ちなみに、2位~4位までを合わせて紹介しよう。
コビントン:+4.1 | DJJ:+3.2 | リラード:+2.5 |
これを見る限りブレイザーズの補強が的確なのが、
データからも表れている。
(5位にカンターがいるのも興味深い事実。)
これはスターターが強いブレイザーズらしさでもあるかな。
何はともあれ、リラードとマッカラムは交代で出場が多いのに、
マッカラムの方が数値が良いのは評価されるべき。
ベンチ+マッカラムの時間は個人色が強いが、
それでも決して悪いとは言えないのかな。
今季はとにかくハンドラーで決めまくってるからね。笑
CJマッカラム最大の特徴
ここからは今季の得点効率を書く前に、
マッカラムの特徴から書いていこう。
凄さを知っている方は多いけど、
実際どれ程決めているかを正確に知っている方はそういない。
まずは、簡単におさらい程度に。
どのエリアでも決め切る得点能力の高さ
マッカラムと言えば、最大の特徴はこれに尽きる。
もちろんハンドリングのスキルも異常なんだけど、
それを引き立てているのがシュート力の高さ。
【各エリア別シュート】
19-20 | 20-21 | |
制限エリア | 55.6% | 51.9% |
ショートレンジ | 43.8% | 47.6% |
ミッドレンジ | 48.9% | 53.1% |
3Pシュート(コーナー以外) | 34.7% | 43.3% |
左コーナー | 57.5% | 62.5% |
右コーナー | 52.5% | 42.9% |
特に重要なのはミッドレンジの効率の良さ。
スクリーン一つでズレを作り、わずかなスキで打つことができる。
加えて、3Pシュートの安定感も分かるはず。
身長やフィジカル的にゴール下で効率が良い選手ではないが、
身長の低さをカバーする芸術的なフローターやアジリティーもある。
特にCJの加速と減速力は他の選手には真似できない。
ドライブの上手さに加えて、ミッドレンジがあるから止められない。
それでいて、プルアップシュートの安定感に加えて、
タフショットを外さないのが、マッカラムの強み。
.@CJMcCollum is built different 🥶 pic.twitter.com/87IVXYPDHC
— Portland Trail Blazers (@trailblazers) January 12, 2021
試合終盤でこれを決めるのがマッカラムだからね。
今季はリラードが終盤でマッカラムに託すことも多いが、
これだけ決めれるからこその信頼なんだろうな。
加えて、今季は超高確率でアイソレーションでも点をとっているのも驚き。
プレースタイルに比例しないターンオーバーの少なさ
ベンチメンバーとの出場時等ハンドラーの時間が長いのに、
異常なくらいターンオーバーをしないのが特徴である。
どのくらいターンオーバーしないか分かるデータがある。
AST:5.0本 | TO:1.0本 | AST/TO比:5.0本 |
これは今季平均5アシスト以上を残す選手の中で、
リーグ2位の成績。
1位は、このデータ常連のタイアスジョーンズ。
(ちなみに、現段階でタイアスはプレータイムがマッカラムより約10分少なく、オフェンスレーティングもマイナス。)
↓ちなみに昨季のはこれに書いています。
【2019-20シーズン】ミスの少ないアシストの上手なNBA選手TOP10|スターター版
アシストターンオーバー比もかなり改善した印象。
元からターンオーバーが少ない選手ではあるが、
今季は特にミスの少ない判断ができている。
ハンドリングに優れた選手でありながら、
シュート力と判断力を併せ持つから止められない。
アンストッパブルな活躍を見せるCJマッカラム
ここからは今季活躍している要因をまとめる。
今季主要スタッツでキャリアハイを残している背景には、
様々な理由がある。
その中で昨季と大きく変わった点をいくつか取り上げよう。
プレータイムの減少が与える影響力
得点やアシストともに伸びているが、
唯一下がっているものもある。
それは、プレータイムの減少である。
【昨季】MIN:36.5分 | 【今季】MIN:33.8分 |
昨季に比べて、休める時間が増えているために、
集中力が高まっているのも予想がつく。
ヤニスで考えると分かりやすいかもね。
ヤニスは今季出場時間が3分増加するもスタッツを見ると、
去年の方が良い成績を残している。
選手の兼ね合いもあるから微妙だけど、
短い時間に全力を注げるのは良い影響を与えている。
参考までに昨季のことを書くと、
・リーグ2位の平均出場時間である36.5分出場
・1試合あたりの平均走行距離は圧巻のリーグ1位
1試合にこれだけの距離を走っていれば、
多少正確さを欠くのはしょうがないだろう。
今季はそれが改善されたために、さらに得点力が飛躍したのかもしれない。
走りの質の変化
これはプレータイムの減少と関連する事実だけど、
昨季と今季の待っての走りは大きく異なる。
【マッカラムの走行データ】
走行距離 | 平均速度 | oef | def | |
2019-20 | 14698.4 | 4.3 | 4.74 | 3.85 |
2020-21 | 13423.8 | 4.25 | 4.68 | 3.82 |
昨季よりも出場時間は約3分減っているが、
走り自体はゆっくりになっているのが特徴なんだ。
そして、これを可能にしたのはDJJとコビントンの存在。
【守備時移動速度(リラード&CJ以外の主なスターター)】
2019-20 | アリーザ | 3.82 |
カーメロ | 3.49 | |
ホワイトサイド | 3.75 | |
2020-21 | DJJ | 4.28 |
コビントン | 3.7 | |
ヌルキッチ | 3.77 | |
トレント (チームで4番目に長い) | 4.08 |
マッカラムが強度を上げて走る必要がないように、
周りの選手が走っているのが特徴。
特に新加入組は頑張っているし、
バブルで覚醒したトレントは超優秀。
トレントがベンチから計算できる戦力になったことが良い影響にもなっている。
出場時間の減少と走りの質の変化が、
オフェンスでのパフォーマンスを上げている。
3Pの増加とドライブの減少
ここまでは、得点力が向上した背景を書いたが、
もちろん理由はこれだけではない。
ここからはシュートの変化をまとめていこう。
3Pの大幅な増加とプルアップシュート
これがマッカラムの今季最大の変化。
今まではミッドレンジが上手い選手ながら、
得点効率で見るとそうでもなかった。
今季は3Pが増えたために、得点効率は大きく改善している。
3PA:11.0本 (リーグ2位) | 3P%:44.1% |
マッカラムの3Pシュートの多さに驚いた方も
いるんじゃないかな。
カリーの次に多く3Pを放ち、リラードよりも多い。
加えて、今季リーグで最もプルアップシュートが多い選手がマッカラム。
【シュート構成】左:昨季、右:今季
青:プルアップ、オレンジ:キャッチ&シュート
3Pやミッドレンジ問わず、ほとんどプルアップで打ち切っている。
今季のマッカラムはリラードに次ぐ、
リーグで2番目にプルアップ3Pが多い選手。
従来のブレイザーズはリラードが3Pメインで、
ミッドレンジは決して多くない印象。
それを補完するようにマッカラムが、
3Pの割合が少なく、ミッドレンジが多い印象。
これが今までの認識だったけど、
マッカラムのレンジが広がっているんだ。
元から多少タフでも決める彼が、
プルアップ3も難なく打ち切る選手に変化した。
シュートが上手いのは元からで驚きはないんだけど、
スタイルが昨季とは異なるのが面白いところ。
オープン・ワイドオープンは基本ミスしないしさ。
あと、ターンオーバーが減ったことに繋がるが、
相手を抜き切らなくなったように観ていて感じる。
確率の微妙だったドライブからのフィニッシュを減らし、
抜かずにズレを作りミッドレンジを放つことが増えた。
走りの質の変化
最後に走りの質の変化を簡単に。
19-20シーズン | 20-21シーズン | |
ファストブレイク得点 | 3.2点 | 4.4点 |
守備での運動量の減少が攻撃に結びついている。
今季ファストブレイク得点はリーグ5位。
去年よりイージーに得点を取れている。
こんなところもCJの得点効率アップに大きな影響を与えているよ。
まとめ
今季キャリアハイの成績を残すCJマッカラム。
現在は怪我で離脱中ではあるが、帰還が待ち遠しい。
バブルではシーディングゲーム初戦で脊椎の骨折をしながら、
プレーオフまで戦い続けたという男気もある選手。
そんな姿やMIP受賞の経歴を持つものの、
未だにブレイザーズはリラードというイメージが強い。
しかし、試合を決めるリラード(デイムタイム)の前には、
マッカラムが点差を繋ぐ働きをしていることは忘れてはならない。
オールスターでプレーしたことはなくとも、
彼は紛れもなくオールスターレベルの選手と言えるだろう。
西はガード陣の質が高く非常に難しいが、
おそらく東であればオールスターになれていただろう。
彼は未だにNBAで最も過小評価される選手の一人なんだ。
良かったら、皆さんのマッカラムの評価を聞かせてください。
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データ引用元:
https://stats.nba.com/
作成日:2021年2月15日