変化をもたらすロバートウィリアムズ三世|Robert Williams III

今回は、セルティックスのロバートウィリアムズ三世|Robert Williams IIIについて。
グラントじゃない方のウィリアムズです。
最近グラントの方は有名になりつつある。
ロバートウィリアムズはラプターズ戦で気になった選手。
彼が入るとチームが連動するし、
チームに勢いをもたらしているよ。
現在2勝2敗となったセルティックス×ラプターズ。
普通に戦力でいけばセルティックスなんだけど、
試合を追うごとに適応していくラプターズ。
セルティックスに変化をつけるヘイワードがいないのも
この2戦大きそうに感じたよ。
とはいえ、変化をつけるのはプレイメイクする選手だけではない。
パスを引き出す選手にだってできること。
そこで変化を作るのが、ロバートウィリアムズ三世。
9月6日の試合で、スターターの次に多い15分プレーしていた。
それだけ、彼は信頼されているということ。
では、そんなロバートウィリアムズ三世を書いていこう。
ロバートウィリアムズ三世|Robert Williams IIIの概要
まずはどんな選手かを簡単に。
2018年ドラフト1巡目27位指名を受け、
セルティックスに入団。
入団後は怪我(腰や背中など)に悩まされ、
ここ2シーズンで61試合しか出場できなかった。
昨季も今季もプレイタイムは平均で15分以下であり、
まだ超重要な人物ではないかな。
とはいえ、プレーオフでこれだけ出場させるということは、
チームがそれだけ期待していることの表れ。
既に得点効率とブロック率ではNBAでトップクラスの選手。
今季成績
【19-20シーズン】
MIN:13.4分 | 得点:5.2点 | FG%:72.7% | BLK:1.2本 | ±値:+1.2 |
出場時間は少ないけど高い得点効率とブロック力を残している。
FG%に関してはリーグで4位。
今季FG%でチェンバレン越えを成し遂げたミッチェルロビンソンとほぼ変わらない得点効率を誇っている。
出場時は得点、リバウンド、ブロックでチームを助けている。
出場時間が短く分かりにくいから36分換算で見ると、
どれだけすごいか分かるよ。
BLK:3.2本 (36分換算)
この数値は、NBA全体で4番目の多さなんだ。
(モーバンバ、ホワイトサイド、ガフォードの次)
※今季25試合以上出場した選手のみ対象
Been a while since we had one of these 👀 pic.twitter.com/XAXzLK5Tnq
— Boston Celtics (@celtics) January 24, 2019
でも、これだけでは別に記事にするほどではないよ。
本当に優秀なのはプレーオフで同じパフォーマンスをできていること。
プレーオフ VSラプターズ戦
MIN:16.3分 | 得点:7.5点 | FG%:87.5% | BLK:1.0本 | ±値:+2.3 |
彼がシュートを打てばほとんど入る得点効率と、
安定したリムプロテクト力。
リバウンドも5.3本と短い時間で貢献は大きい。
ラプターズを大いに困らせているのは、
彼のピック&ロールとカット。
ほとんど単純なプレーしかしないけど、
スピードと運動能力の高さで全く止められていない。
ガソルは彼のスピードで泣いてるよ。笑
textbook pick & roll 📖 pic.twitter.com/WURpZwqtSt
— Boston Celtics (@celtics) September 5, 2020
教科書通りのコンビプレー。
特に難しいことはしていないんだけど止められない。
ケンバのシュート力とロバートウィリアムズのスピード。
ケンバとスマートのラジコンのように、
スピードをもってインサイドにダイブする。
これはタイスやカンターには難しいし、
彼だからこそできるプレーなんだ。
プレーオフはもちろんのこと、シーズン通しても
このプレーが通用し続けているたことも重要。
今だとミッチェルロビンソン似、
目指す形はカペラあたりになるのかな。
では、得点パターンを見ていこう。
NBA屈指の得点効率の背景
彼の得点の8割はアシスト付き。
そして、驚くことにドリブルは多くても一度しかつかない。
今季はドリブルを2回ついてシュートは一度もないんだ。
2回目をついたら彼はシュートを打ちません。笑
もう一つ特徴としては、
制限エリア以外でシュートをほぼ打たないこと。
この二つの特徴が高い得点効率につながっている。
合わせを重視して、勢いを持って飛び込む
今は自分でボールを運ぶこともなければ、
ジャンプシュートを放つこともない。
シュート分布
制限エリア:57本 (73本) 78.1%
それ以外:7本 (15本)
確率の高いエリアで打てる場面のみ打つスタイル。
プレー選択の幅が少ないからこそ、
役割に徹して同じことを的確にこなしている印象。
主なシュートの形
上で得点パターンの少なさは書いた。
それだけでも決められるからこそ価値があるんだけどさ。
では主なパターンを紹介しよう。
ピック&ロール
回数:1.1回 | 得点:1.5点 | 期待値:1.30点 | FG%:70.0% |
上にTwitterの動画も載せたけど、
まさにお手本通りのピック&ロールをする。
得点効率も高く、彼のメインの得点パターン。
一回の期待値の高さからもどれだけ止められないか分かるよ。
優れたハンドラーが多いセルティックスに
最もマッチしている武器と言えるだろう。
プレーオフではピック&ロールのFGで100%を継続中。
(期待値:1.60点)
カット
回数:1.1回 | 得点:1.8点 | 期待値:1.71点 | FG%:82.1% |
チームの主力選手の全員が3Pシュートを苦にしないため、
インサイドは自然とスペースができる。
そのスペースを活かし飛び込んでくるのが、
彼の最大の持ち味。
FGが80%を超えているので、
この局面を作られたら確実に点を取られる。
あとは、オフェンスリバウンド率が高いため、
プットバックも主な得点パターンかな。
基本的にはこの3パターンのみだけど、
分かっていても止められないスピードと身体能力が魅力。
長いウイングスパンもここで生きている。
ロバートウィリアムズ三世がもたらすもの
ここまでは個人の長所を書いてきたけど、
具体的にチームにもたらしているものを考えようかな。
・高速バスケットの展開
・守備時にミスマッチが起こらないこと
(高いリムプロテクト力)
・攻撃時にミスマッチを作れること
主にもたらすものはこんな感じなのかな。
他にもエネルギーとかも相当もたらしているよ。
高速バスケットの展開
ビッグマンがいかに走れるかでチームのペースは決まる。
ハーフコートを重視することで遅いチームもあるけど、
paceは基本的にはビッグマンに比例するのも事実。
例を挙げると、ナゲッツやシクサーズ。
他のチームも言えるけど割愛。
この2チームはpaceが遅い。
走らないエンビードや走れない代わりに投げるヨキッチ。
総じて言えるのは、走れるビッグマンではないということ。
反対にビッグマンのいないロケッツなんかは分かりやすい。
あとは走れるグリズリーズのビッグマンもそうだよね。
※グリズリーズはpaceで6位。
ビッグマンの走りがチームのpaceに大きく関わるのが見えてくるはず。
本題に戻るけど、彼の出場時チームは早くなる。
セルティックス通常時 | ロバートウィリアムズ出場時 |
pace:99.92 | pace:102.18 |
プレーオフでは、さらに速い103を記録している。
このおかげで、チームは速攻に転じることもできるし、
イージーバスケットを作ることもできる。
そしてもう一点。
反対に、ファストブレイクでの失点は減らしていること。
高速化すると起こるデメリットは速攻を受けやすくなること。
しかし、彼の出場時にその変化は起こっていない。
36分換算でファストブレイクでの失点を見ると、
マーカススマートに次ぐ2位タイ。
彼の出場時に速攻を受けていないのが分かるだろう。
守備時にミスマッチが起こらないこと
(高いリムプロテクト力)
セルティックスが得意なミスマッチを突くプレー。
反対に、自分たちはケンバを狙われると厳しいチーム。
ラプターズなんかはプレーオフで度々狙っているよね。
敢えてヴァンブリードがスクリーンをかけることで、
スイッチした時のミスマッチを誘導したりしている。
そんなミスマッチなんだけど、
基本的にロバートウィリアムズのところでは起こらない。
彼は元々アンダーサイズのビッグマンであり、
長いウイングスパンとスピードも兼ね備えている。
マッチアップのデータを書くと長いので、今回は割愛。
DIFF%:-6.7% | (3P)DIFF%:-13.6% | (2P)DIFF%:-5.4% |
ポジション毎のマッチアップは書きませんが、
平均してかなり抑え込んでいる印象。
ペリメーターから制限エリアまでどこでも抑える守備力。
ブロック力は上でも書いた通り、
NBA全体で見てもかなりのレベル。
バンバやミッチェルロビンソンのように7フッターなくとも、リム周辺での存在感は絶大。
攻撃時にミスマッチを作れること
攻撃時にはスピードと高さのミスマッチが可能。
それにより、得点効率の高いカットやピック&ロールが効果的に機能している。
【HCのブラッドスティーブンスの発言】
I think one of the most important guys to our ceiling is Robert
直訳すると、
私たちの天井にとって最も重要な選手の一人はロバートだと思う。
ロバートウィリアムズがチームの出来にとって、
チームの中でも超重要人物と見られているのが分かるよね。
課題
ここまでは長所を挙げてきた。
しかし、実際にはまだまだ不完全な選手。
今はできることを高い再現度でこなしているだけ。
すごく重要だけど課題も多いよ。
今はセルティックスだから活躍できる選手。
スペースがあり、バランスアタックのチームだから、
ビッグマンの重要度はそれほど高くない。
セルツはみんな個人で点を取れるのが強みだからさ。
現状の大きな課題
・得点パターンの少なさ
・守備時のポジショニング
得点パターンの少なさ
必須でなくとも欲しいのがハンドリング。
フェイクからドライブできる力があれば
さらに得点パターンの幅は広がってくる。
ドリブルを一切つかない選手と、
もしかするとつくかもしれない選手では大きく異なるんだ。
だからこそ、ミッチェルロビンソンは練習しているのかな。笑
もう一つ必要なのがジャンプシュート。
今はほぼ全く打たないシュートだけど、
これが打てると打てないでは見える景色が異なる。
ストレッチビッグになる必要はないけど、
ミッドレンジも打てるだけで十分怖い存在になれる。
これを感じたのは、彼のパス力の伸びが顕著だから。
【アシスト関連のパス】
18ー19シーズン:2.4% | 19-20シーズン:8.1% |
今はアシスト1試合に1本に満たない現状。
しかし、パスの質が向上しているのも事実。
パスを出す前に迷わないのが面白い長所。
持ちたくないから考えず出しているように見えるけどね。笑
実際パスの質が上がっているのを見ると、
案外長所にも感じる。
タッチ数は少ないけど、今後伸びる可能性は十分にある。
目指せアデバヨ。笑
守備時のポジショニング
今は1人分の仕事をするのに必死な印象。
ブロックは上手くても、まだヘルプまで気が回っていない。
細かいところはスマートが全部カバーできるけど、
ビッグマンができるに越したことはない。
この辺はもう一人のウィリアムズの得意なところ。
(グラントウィリアムズ)
彼も優秀だけど、全く3Pが入らないところがあったりと、
みんなで苦手を補い合っているよね。
まとめ
今回は、ロバートウィリアムズ三世をまとめました。
彼のことをメインに書いている記事は日本におそらくない。笑
HCのブラッドスティーブンスの期待からも、
今後チームの核となり成長することもあり得るだろう。
現状での目指す形はカペラだけど、
これが選択肢の多いアデバヨになると大きく異なる。
バランスアタックだからこそ、
インサイドにパスの起点があると脅威になる。
パスの質の向上をどう評価し、
どんな選手を目指していくのか。
3年後には面白い選手になっているかも!
これからのアンストッパブルな活躍に期待です。
長々とありがとうございました。
↓良かったらランキングアップにご協力お願いします!
人気ブログランキングへ
データ引用元:https://stats.nba.com/
作成日:2020年9月7日