ホーネッツのMIP賞候補デボンテグラハム(Devonte Graham)

今回は、MIP候補筆頭格のDevonte Graham|デボンテグラハムです。
唯一の希望だったケンバが去り、
一気に衰退していくはずだったホーネッツ。
しかし、そこに現れたのは新星デボンテグラハム。
現在、2年目で25歳の選手であり、
ドラフト指名も34位指名と元々期待は薄かった。
予想は裏切るように、グラハムは急成長し、
若きチームの柱としてチームに貢献し続けている。
そんなグラハムもいくつか特徴と伸び代があるので、
今回はそんなところをざっくりと書いていこう。
昨季からの成長
まず、今季の彼の成長を簡単に見てほしい。
出場時間:14.7分→35.1分
得点:4.7点→18.2点
アシスト:2.6本→7.5本
何も特筆した武器のなかった選手が、
この一年でスターになっているのがよく分かる。
昨季はチームで下から2番目だったシュート数も、
今季はチームで1番シュートを放つ選手に。
彼は得点だけでなく、アシストも一流。
ケンバがチームを自分の力で引っ張るリーダーなら、
彼はチームを活かすリーダー。
自らの3Pで作ったスペースを味方に利用させる。
それがグラハムのプレーメイクの特徴。
今季のホーネッツはロジアーを獲得した他、
ルーキーのPJワシントンとブリッジズが脇を固める。
昨季との違いが現れているのは、
シュートする選手のバランスの良さ。
昨季チームで1試合10本以上シュートを打っていたのは、
ケンバ(20.5本)とジェレミーラム(12.4本)のみ。
今季のチームには4人もいる。
グラハム(15.3本)、ロジアー(14.9本)、
ブリッジズ(11.6本)、PJワシントン(10.2本)
これがホーネッツでのケンバとグラハムの違い。
個人の力で引っ張るケンバ
周囲に託すグラハム
※ホーネッツでは話なので、そこは注意して下さい。
ケンバはセルツではグラハムの様なプレーをしてます。
また、クラッチで得点効率をさらに上げるのも特徴。
これらが簡単なグラハムの成長とケンバとの違い。
ここからはさらに深く考えていこう。
味方を生かすプレー構築
グラハムは3Pシュートのイメージが強いけど、
本当にすごいのはこの能力かもしれない。
彼が、ホーネッツでどれだけ重要か分かるデータがある。
タッチ数:90.6回 (リーグ5位)
パス数:66.7回 (リーグ4位)
一回あたりのボール保持秒数:5.40秒 (リーグ9位)
ホーネッツの組み立てにおいて、
どれだけグラハムを経由しているか分かるよね。
ちなみに、ロジアーはタッチ数で70回にも満たない。
そう考えると、グラハムの凄さが見えてくるはず。
これだけの影響力を残しているグラハムなんだけど、
数値的に似た選手だとドンチッチかな。
保持秒数やタッチ数なんかは酷似している。
プレースタイルは大きく違うんだけど、
グラハムもそれだけチームに影響を与える選手なんだ。
AST:7.5本(リーグ8位)
AST/TO比:2.60
グラハムのうまさは、組み立て段階で発揮されるから、
アシストでは測れないけど、それでもお見事👏
アシストの前のパス(セカンダリーアシスト)の
貢献度の方を本当は評価したいんだけどさ。笑
組み立て時には相手がどう動いてくるか、
分かっているようなパスを通すのが非常に上手い。
だから、一つ一つのパスにメッセージが見える。
まだ未熟なホーネッツのオフェンスだけど、
グラハムの組み立てもあり、さほど形は悪くない。
3Pが武器のグラハムがもたらすスペースを、
みんながバランスよくアタックしていく。
まだチームとして個の力が足りないけど、
今はそのバスケで勝っているチームも多いからね。
(サンダー、セルツ、クリッパーズ等)
あとは、一人一人がチャレンジして成長できれば、
ホーネッツはもっと良いバスケができる。
非凡な3Pシュート能力
これをなくして、グラハムは語れない。
彼は、全シュートの6割以上が3Pシュートの選手。
普通のシュートより3Pを打つ。
これこそがグラハムの一番の特徴だよね。
3Pシュート
218本(585本) 37.3%
585本はハーデンとヒールドに次ぐ3番目。
去年まで知られていなかった選手とは思えないよ。
そして、3P成功率も非常に優秀。
プルアップとキャッチ&シュート問わず
決定力があるのがグラハムの強み。
【3P場面別】
C&Sシュート:1.4本(3.3本) 42.2%
プルアップ:2.0本(5.9本) 34.4%
キャッチ&シュートはもちろんのこと、
プルアップの率も悪くはない。
ドリブルを多くついた後でも、
35%を超えてくるのは優秀さを表している。
彼のシュートレンジの広さも魅力の一つ。
25-29フィート 171本(466本) 36.7%
30-34フィート 9本(20本) 45.0%
グラハムは3Pラインから離れていても打てる。
距離が離れても、それほど成功率は変わらない。
トレーヤングほどシュートレンジは広くないけど、
ヤングよりも正確に射抜くことができる。
個人的には、グラハムの進む方向性が気になるなー。
リラードのようにシュートレンジを拡大するのか、
はたまた、インサイドのフィニッシュ力を磨くのか。
【重大な欠陥】インサイドの決定力
ここまではグラハムのすごさを書きました。
もちろん、MIPに相当する活躍をしているよ。
彼はケンバの穴を埋め、ホーネッツに希望を生んだ。
でも、まだ課題もある。
それが、インサイドの決定力の無さ。
まず、数値から見てほしい。
制限エリア(ノーチャージエリア)
75本(153本) 49.0%
この成績は、150本以上放った選手の中で、
リーグワースト2位の成功率。(142人中)
ESPNでは、「このエリアで最も確率が悪い選手」
として紹介されている。
ショートレンジ
39本(121本) 32.2%
100本以上放った選手の中では、
リーグワースト5位の確率。(95人中)
3Pシュートが上手い選手でありながら、
飛び込んだ味方を生かすことができる能力が持ち味。
これを裏返すと、自分で勝負ができないということ。
ケンバやリラードやトレーヤングは制限エリアでも、
55-58%は決め切れている。
そして、1試合で4-6本近くのシュートをゴール下で放つ。
対して、グラハムは1試合で2.4本のみ。
同じことを得意(3Pシュートが得意/背が小さい/
プレーメイクに定評がある)とする選手でも、
ゴール下では大きく差があるのが現状なんだ。
加えて、ゴール下/ショートレンジ/ミッドレンジの
シュート本数がほぼ同じになっている。
これはすごく効率が悪いことなんだ。
極論、ゴール下と3Pが一番効率が良い。
根拠となるデータが多いんだけど、
書き続ける大変だから簡単に。
今のグラハムは、レイアップの成功率の低さや
フローターのアテンプトの少なさがもったいない。
インサイドに攻めて行かないが故に、
フリースローももちろん少ない。
FTA:3.7本 82.0%
出場時間の長さとメインハンドラーの点を
考慮するともったいない印象。
それにフリースローも上手な選手だからね。
他にも弊害が表れている点がある。
実は、ドライブやPnRなんかの効率も微妙なんだ。
ドライブ:10.6回 FG%:34.6%
10回以上ドライブをしている選手の中では、
ワーストの成功率を残してしまっている。
3Pという現代的な素晴らしい武器を持ちながら、
得点効率はあまり良くない。
EFG:49.5% TS:53.7%
これが象徴していたのがインサイドの弱さ。
もし、彼の制限エリアでの効率が5%上昇したら、
オフェンスの選択肢がさらに増えるだろう。
そして、きっと自信につながる。
まとめ
長くなったのでこの辺にします。
本当はディフェンスも課題ではあるけど、
これはサイズの問題とかもあるからね。
今回は、直すのに限界があるディフェンスより、
成長が期待できる攻撃の意識についてまとめました。
急成長した2年目に浮かび上がってきた課題。
欠陥=伸びしろ
この捉え方が非常に大切です。
今は課題があって、全然いいんだ。
今のホーネッツは良く言えば、負けていいチーム。
デビューしたての選手にとっては最高の環境だよ。
数年後のために、失敗してもチャレンジし続けよう。
これが優勝争いのチームでは、
そんなに自由にやれないからね。笑
グラハムにはポテンシャルもあるし、絶対にできる😊
ホーネッツを引っ張れ!
デボンテグラハム!
長々とありがとうございました🙇