カリーの伝説を支えたドレイモンドグリーン|2015-16シーズン

今回は、2015-16シーズンのドレイモンドグリーンの
成績をさかのぼる記事です。
2015-16シーズンといえば、
ウォリアーズがシーズン最多勝利記録を作り出し、
カリーの伝説といえる最高のシーズンを送った年。
最終的にファイナルでは、
キャブズの大逆転劇によって優勝を逃したけれど
あのシーズンのウォリアーズは本当に凄かった。
みんな凄すぎたんだけど、
今回はそんなウォリアーズを支え続けたグリーンです。
カリーのシーズン最多3P記録を塗り替えた裏には、
ドレイモンドの裏方としての働きがあるからね。
来季再び万全な状態のウォリアーズが見れると思うので、
その前に作っておきたかった記事です。
2015-16シーズン成績
MIN:34.7分
PTS:14.0点 AST:7.4本 REB:9.5本
FG%:49.0% 3P%:38.8% ±:13.2
EFG%:55.1% TS%:58.7% usage%:18.4%
このシーズンは全てがキャリアハイなんだ。
この年以降ここまでの成績は出せていない。
このシーズンはカリーだけじゃなく、
グリーンにとっても最高のシーズンだった。
もちろん、ウォリアーズにとってもそう。
±値:+13.2(リーグ1位)
カリー:+12.9(リーグ2位)
※参考までに今季のヤニス±値:+11.4
ネットレーティング:18.0(リーグ1位)
※今季ヤニス:16.1
今季最強のバックスが誇るヤニスであっても、
この時のグリーンには数値的に勝てていないんだ。
グリーンの影響力がどれほどだったか、
ウォリアーズがどれだけ強かったか、
これ見たら分かるんじゃないかな。
彼はPFとしてアンダーサイズだけど、
リバウンドを9.5本もとっている。
ダブルダブル:33回
トリプルダブル:13回
得点/アシスト/リバウンドとなんでもできる、
ウォリアーズに欠かせない選手だったのが分かるだろう。
2015-16シーズン受賞
・オールスター
・オールNBA 2ndチーム
・オールディフェンシブ1stチーム
カリーが3Pのシーズン記録を更新した年だけど、
これができたのはグリーンの影響が大きいだろう。
ディフェンスではカリーや仲間の負担を減らし、
オフェンスでは仲間を生かすプレーメイクをする。
ウォリアーズやカリーを支えていたのは、間違いなくグリーンだった。
カリーを支えたプレーメイク力
カリーはポイントガードだけど、
異色のポイントガードであることは周知のはず。
シューター気質の強いポイントガードだからね。
そんなプレーを最大限に引き出したのが、ドレイモンドグリーン。
ウォリアーズの最強の速攻を可能にしていたのは、
グリーンのリバウンドとアシスト力だったはず。
ここからは、具体的な数値で書いていこう。
○タッチ数:81.8回
○パス数:65.0回(リーグ5位)
チームのエースやガードの選手でないのに、
これだけのタッチ数を出している。
パス数においては、上位は全員ガードの選手のみ。
PFなのにこの数字がどれほど凄いことか。
今でこそ、ヨキッチやサボニスがいるけど、
最初に価値観を築いたのはグリーンなのかもしれない。
彼の特筆すべきはパス能力の高さ
○アシスト:7.4本(リーグ7位)
○ポテンシャルアシスト:13.7本(リーグ10位)
○AST ADJ :8.7(リーグ7位)
とは言っても、この用語が分かりにくいと思うので、
下の★に用語説明を書きました。
ーーーーーーーーーー
★ポテンシャルアシスト
=パス受け手が1ドリブル以内にシュートを打った回数
★AST ADJ
=アシスト+フリースローアシスト/セカンダリーアシスト
★セカンダリーアシスト
=パス受け手が1秒以内にドリブル無しでアシストした時に、そのパス受け手にパスを出した回数
ーーーーーーーーーー
簡潔に説明するとグリーンはPFなのに、
リーグトップレベルのガード達と同レベルのプレーメイクをしていたということ。
リーグ屈指のアシスト力を持つガードが、
相手からしたら2人同時に出場している感覚。
だからこそ、カリーやトンプソンが最大限に生きたんだ。
もう一つ面白いデータがある。
この年の彼のパスはほとんどが二人へのパス。
※カリー:43.5%、トンプソン:17.1%
カリーへのアシスト:1.9本
トンプソンへのアシスト:2.0本
カリーがパスを受け放った3P
3PA:1.9本(4.2本)
3P%:44.6%
実際に、二人へのアシストも多い。
アシストになっていなくても、
カリーの3Pのチャンスを4.2本作っていること。
ここで感じるグリーンのうまさは、
パスを出す相手を選んでいるということ。
優れたプレーメイカーはパス出す先を選ぶと言うけど、
その通りに行動しているんだ。
パスは散らせばいいわけではない。
前に見えた仲間に出せばいいわけでもない。
高確率で決めれる選手にパスが入るから脅威なんだ。
それに応じ、カリーやトンプソンが確実に決める。
ウォリアーズはこれができていたから王朝を築けた。
安定をもたらしたディフェンス力
ここからは、グリーンのディフェンス力。
当時ウォリアーズはリーグ1の速攻を武器にしていた。
優れたシューターを生かす速攻
これがウォリアーズの軸だった。
でも、これを可能にしていたのはディフェンス力。
それこそ、ドレイモンドグリーンの凄さ。
2015-16のディフェンス成績
STL:1.5本 BLK:1.4本
この両方でこれだけの成績を残している。
ブロックやスティールの片方がうまい選手はいる。
ただ、両方でこのレベルの選手はほぼいない。
突然だけど、ここで一点気になったことが、、。
ドレイモンドグリーンの凄さは?
って聞かれたら、多くの方はなんて答えるんだろう。
プレーメイク、オールラウンダーとかなのかな。
あとは、単純にディフェンス力か。
「ヘルプディフェンス」が浮かぶ方いるんじゃないかな。
まさにこれだと思う。
オフボールのディフェンス能力の高さ。
味方への適切な指示やスイッチやヘルプディフェンス。
この辺が、彼の真骨頂だよね。
○DIFF%:−5.8%
対3P:−5.3%
対2P:−5.8%
これが全てを表しているんじゃないかな。
対人能力の高さとインサイドでのカバーリング
どのエリアで打たれようともFGを5%も下げている。
カリーのディフェンス力は高くないけど、
欠点を目立たないようにできるのはグリーンのおかげ。
抜かれてもすぐ後ろからヘルプに来てくれる。
この安心感がドレイモンドグリーンという男だよ。
○DEF WS=ディフェンスでの勝利に対する貢献度
0.162(リーグ2位)
これは、この年DPOY受賞のカワイレナードの次。
がむしゃらな対人ディフェンスや適切なヘルプなど、
まさにグリーンのバスケIQの賜物と言えるだろう。
まとめ
最強ウォリアーズを支えたグリーンは、
数字的に見てもかなりのインパクトがあった。
ウォリアーズの大黒柱は彼だったんだ。
アンダーサイズのPFが輝くための方法は少ない。
すごく器用な選手ではないし、高精度の3Pが打てるわけではない。
ドラフトでも2巡目の35位指名。
ずっと期待されていた選手ではない。
そんなグリーンだったからこそ、
ここまでの選手になれたんだと思う。
努力の才能がドレイモンドグリーンにはあったから。
最強ウォリアーズにおける、
爆発力はカリーやトンプソンかもしれない。
だけど、安定感をもたらしたのはグリーンだろう。
KDが入ってからのウォリアーズは、
正直あまり好きではなかったけど、
この時期のウォリアーズは応援していた。
来季、万全の状態でカリーやトンプソンが復帰し、
再びこの時のようなウォリアーズが戻ってきたらとても楽しみだ。
長々とありがとうございました🙇
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